iPS細胞で新治療法に期待=遺伝子異常の再生不良性貧血−国際チーム(時事通信)

 細胞の染色体末端部「テロメア」が異常に早く短くなるのが原因で起きるまれな再生不良性貧血の患者から、皮膚細胞を採取して人工多能性幹(iPS)細胞を作ったところ、テロメアの長さが回復した。米ハーバード大などの国際研究チームが発見し、英科学誌ネイチャー電子版に18日発表した。
 この疾患は「ディスケラトーシス・コンジェニタ(DC)」と呼ばれ、貧血のほか、皮膚や粘膜の異常などが起きる。患者から作ったiPS細胞を造血幹細胞に変えて移植すれば、貧血を改善できる可能性がある。また、テロメアの長さが回復する仕組みを解明し、同じ作用をする化合物を見つければ、新薬の開発につながるという。
 体細胞は分裂するたびにテロメアが短くなり、やがて分裂できなくなって老化する。しかし、身体の各部位にある幹細胞や生殖細胞では、テロメラーゼと呼ばれる酵素がテロメアを修復するため、分裂が続く。DC患者の細胞では、この酵素の一部「テロメラーゼRNA構成要素(TERC)」に影響する遺伝子「DKC1」に変異があるため、テロメアの修復が難しい。
 研究チームは、万能細胞であるiPS細胞には、ほぼ無限に分裂・増殖を続ける能力があることに注目。山中伸弥京都大教授らが当初開発した4遺伝子導入法により、患者の皮膚細胞からiPS細胞を作ったところ、DKC1の変異が残っているにもかかわらず、テロメラーゼが働いてテロメアを修復し、分裂が続くことを発見した。
 これは、DKC1の変異を補う別の仕組みが働いたためと考えられる。
 DC患者はがんも発症しやすいが、なぜがん細胞が盛んに増殖できるのか、謎とされてきた。DC患者のがん細胞でも、同様の仕組みが働いているとみられる。 

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